「そして誰もいなくなった」「オリエント急行殺人事件」と並ぶクリスティの代表作です。
有名すぎていろいろなミステリー関連の本を読んだり話を聞いていたりすると、会話の中でうっかりトリックを知ってしまうたぐいの作品です。
そこで、まだトリックを知らないうちに!と、読んでみました。
読んでみて、とても面白かったですし犯人の正体にも驚かされました。
まだ内容を知らないのなら、今のうちに読んでおいたほうがいいかも?
あらすじ

作:アガサ・クリスティ 出版:創元推理文庫 他
睡眠薬の飲みすぎで亡くなったフェラーズ婦人。
彼女の死は自殺なのか。
それに続いて起こる町の名士アクロイド氏の殺人事件。
すべての人物にアリバイがあるこの事件を町の医師シェパードが克明に記録し始め……。
アクロイド氏の姪フロラから事件の真相究明を依頼されたポアロはシェパード医師とともに調査を進め、意外な真相を導きだす。
感想
読もう読もうと思ってはいましたがなかなか読む機会がなかった一冊です。
『アクロイド殺害事件』または『アクロイド殺し』はいくつかの出版社から別々の方の翻訳で出版されています。
私は創元推理から出ている大久保康夫さんの翻訳があっているようですし、評判もよかったのでこちらを読みました。
クリスティの代表作で推理小説の名作と聞いていたので興味はあったのですが、こういった作品だとは思っていませんでした。
(もう少し直接的な推理小説を想像していたのでちょっと恥ずかしい)
表紙のイラストも創元推理文庫のものが一番あっている気がします。
フランス語混じりのポアロの語り口は、私の中ではスーシェが演じて熊倉一夫さんが声をあてたドラマ版のイメージで自動再生されました。
あのちょっとの皮肉とフランス語混じりのしゃべりは特徴的ですね。
ポアロの出身はベルギーなのでなぜフランス語?と思っていたのですが、ベルギーの公用語にフランス語があるそうです。
調べてみて初めて知りました。てっきりオランダ語だけかと。
なので、ずっとポアロがフランス人だと思っていました。
ベルギー人の話すフランス語はフランス人とはちょっと違う雰囲気なんでしょうか。
ヨーロッパの人なら、そういったお国柄のようなものも面白く読めるのかもしれません。
いっしょに捜査をするシェパード医師の姉が、なかなかいいキャラをしていておもしろいです。
事件が解決したあとの彼女について考えるとちょっと気が重いですが。
捜査が進みアリバイや動機が絞られていくにつれてなんだか全員が怪しくて全員が無実のような気がしてきて、最後に近づくにつれてこれはもしかして、叙述トリックというやつでは?と気が付きました。
またもやしてやられた感。
読み終わってから再度最初のほうを読み返して確認してしまいました。
推理小説はドラマや伝聞でトリックを先に知ってしまうことが多いのですが、そういったことになる前に読むことができてよかったと思わせてくれました。
トリック自体は当時物議をかもしたようですが、現代だとそこまで否定的に思う人もいないのではないかと思います。
私はネタバレはあまり気にしないタイプなので知っていても楽しかったと思いますが、やっぱりミステリーはトリックがわからないまま読むほうが楽しいですね。
関連作品
名探偵ポアロ シーズン7 アクロイド殺人事件
■名探偵ポアロ シーズン7 アクロイド殺人事件(U-NEXT)イギリスのテレビシリーズ。
NHKで放映していて見たことのある方も多いかも。
スーシェが演じて熊倉さんが声をあてているポアロが一番有名なのではないでしょうか。
独特の語り口がポアロにぴったりでしたね。
ポアロのドラマシリーズはU-NEXTの見放題で見れます。
黒井戸殺し公式HP(フジテレビ)
監督:三谷幸喜 主演:野村萬斎
フジテレビでH18年4月14日に放送されたドラマです。
この三谷幸喜監督のドラマ「黒井戸殺し」を見て、原作小説を読んでみようと思った方も多いのではないでしょうか。
舞台をイギリスから日本に置き換えた他は、原作に忠実に作られたようです。
なんですが、残念ながら見ていません。
「そしてだれもいなくなった」と「オリエント急行殺人事件」は見たんですけど……。
もったいないことをしました。
野村萬斎さんのポアロ、というか 勝呂はあの雰囲気が面白くてとてもいいと思います。
これを書きながら、大泉さんがやっている柴医師の役、「シェパードだから柴(犬)か!」とたった今気が付いたところです。
もしも、見たい方はFODで配信されているので、ぜひご覧になってください。
こちらのページではマンガを買う方法を解説していますが、ポイントはドラマを見るのにも使えますよ。
最後に
クリスティの他の作品は有名な作品がまだまだ残っているのでいろいろと読んでみたいです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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